【都議会臨時会】補正予算で質疑

掲載日:2017.08.30


本日、都議会民進党を代表して、「中央卸売市場会計補正予算案」に対する知事所信に対する質問を行いました。
築地市場の豊洲移転問題に関連した、追加対策や築地での食文化の拠点継承について知事に直接質問しました。

質問原文はこちら。

私は、都議会民進党を代表して、知事発言について、小池知事並びに関係局長に伺います。

私たち都議会民進党は、先の都議会議員選挙において、「豊洲移転は安全・安心が最優先」と掲げ、「追加対策の実施や情報公開の徹底、都民の理解と納得なくして、豊洲市場への移転はあり得ません」と訴えてきました。
また、2009年の都議会議員選挙では、築地市場の「強引な移転反対」を訴え、平成22年度の市場会計予算に対しては、「無害化された安全な状態での開場を可能とすること」などとした付帯決議を、平成24年度の市場会計予算に対しては、「築地での食文化の拠点が継承されるよう最大限協力すること」などとした付帯決議を提案し、成立させてきました。
こうしたことを踏まえ、以下質問します。

はじめに、豊洲の土壌汚染対策についてです。
平成22年3月の市場会計予算に対して「無害化された安全な状態での開場を可能とすること」との付帯決議を付したのは、都議会であり、なかでも、私たち都議会民進党が率先して提案し、成立させてきました。
この付帯決議が付された当時、東京都は、この無害化について「土壌を環境基準以下にする」と答弁していました。
しかし、付帯決議の翌年=平成23年2月23日の予算特別委員会において、東京都は「土壌はもちろん、地下水中の汚染も環境基準以下になることである」などと、さらに踏み込んだ答弁をしています。
そこで、当時の答弁は、地下水中の汚染も環境基準以下となる見込みがあっての答弁だったののか、見解を伺います。

また、地下水も環境基準以下になる見込みがあったのであれば、その背景となる根拠について、見解を伺います。

当時、いわゆる「無害化3条件」を答弁するにあたっては、専門家などに対して、当然、意見を求めたものと考えますが、事実関係及び専門家の意見などについて、見解を伺います。

なぜ、東京都が答弁した無害化3条件がクリアされなかったのか。私たちは、その原因を解明しなければ、また、同じことを繰り返すのではないかと考えています。
一方で、小池知事は、豊洲市場用地の土壌汚染対策に係る「無害化」に代わる新たな方針のなかで、「① 環境基準を達成できていない現状を真摯に受け止め、その反省を踏まえたうえで、安全で安心な市場の実現に向け、専門的・科学的で妥当な対策を講じる。」としています。
そこで、ここで言うとところの「反省」とは具体的に何であるのか、知事の見解を伺います。

豊洲に移転するのであれば、「安全宣言」をしてほしいと願う市場関係者も少なくありません。2014年12月9日の舛添前都知事の定例記者会見での発言を「事実上の安全宣言」とする指摘もありますが、その後、盛り土問題などがあったことを踏まえると、納得できるものではあありません。
この間、小池知事は、安全と安心は違うとしつつも、『法的にも科学的にも安全』と述べています。
そこで、改めて小池知事は、豊洲市場が、心の底から安全だと確信しているのか、知事の見解を伺います。

豊洲移転は安全・安心が最優先です。
私たちは、追加対策工事を着実に実施し、情報公開の徹底=追加対策の効果が確実に上がっていることなどを都民と継続的に共有しながら、理解と納得を積み重ねていくこと必要であると考えます。加えて、モニタリングを継続するなかで、万が一、理解しがたい数値が検出されるなどした場合、専門家の意見を聞きながら、さらなる追加対策の実施も含め、豊洲の安全・安心に万全を期すべきと考えますが、知事の見解を伺います。

次に、築地のまちづくりについて伺います。
私たち都議会民進党は、平成24年2月7日、築地市場のある中央区と東京都とが、「築地のまちづくりに関する合意」を締結したことを踏まえ、平成24年度の市場会計予算に対して、「築地での食文化の拠点が継承されるよう最大限協力すること」などとした付帯決議を提案し、成立させてきました。
したがって、私たちは、築地での食文化の拠点継承を進めるという立場であり、6月20日に知事が発表した「食のテーマパーク構想」についても、大いに注目しています。
しかし一昨日の所信では「食のテーマパーク構想」への言及は一切なく、その説明もありませんでした。なか仲おろし卸などの期待を煽るだけ煽っての方針変更であれば、信用問題です。
先の経済・港湾委員会において、東京都は「『食のテーマパーク構想』は、知事の方針で、行政的な整理の結果「食のテーマパーク」という言葉を使っていない」旨答弁しています。
しかし一昨日は、知事は所信です。小池知事は、「食のテーマパーク構想」に何故触れなかったのか。方針を変更したのか、見解を伺います。

小池知事は、豊洲が市場法に基づく市場になる一方で、築地については、「法改正も睨みながら、一番市場としての機能が確保できるための方策を見出していきたい」旨述べるにとどめており、このことは、築地は市場法の市場にならないことを示唆しています。
知事の思いは、市場法という枠組みよりも、なか仲おろし卸を中心とした目利きの技、目利きの技術を後世に伝え、生かしていきたいということに重きを置いているものと理解するものですが、築地でセリを行うのか、おろし卸は築地に来るのか、具体的に、築地で市場機能をどう確保するのか、知事の見解を伺います。

6月20日、小池知事は「築地市場を5年後を目途に再開発する」と述べましたが、これを聞き、5年我慢すれば築地に戻れると思った水産仲卸の人たちは少なくありませんでした。PTの小島座長が、水産仲卸有志の勉強会において「5年後に戻れる」旨発言しているとも聞いており、こうしたことが誤解に拍車をかけたようにも思います。
先の委員会で、東京都は、「5年以内の着工を目指す」と答弁しましたが、「着工」か「完了」かを曖昧にして、「5年後」という数字だけ一人歩きさせた6月20日の知事発言は、いつ築地に戻れるのかと期待する人たちに対して、極めて不誠実です。
6月20日の時点で、小池知事は、自ら発言した「5年後」が、着工時期か、完成時期か、承知していたのか、知事の見解を伺います。

承知していたのであれば、なぜ「着工時期」か「完成時期」かを述べなかったのか。
承知したいなかったのであれば、何故、あえて誤解を招くかたちで「5年後」という数字を一人歩きさせたのか、知事の見解を伺います。

併せて、築地の再開発に向けた進め方について、示されている「①築地の持つ地域特性やポテンシャルの検討→②開発コンセプト等の具体化→③民間事業者の募集・選定→④設計、土壌・埋蔵文化財調査→⑤再開発工事」のスケジュールについて、それぞれどの程度の期間を想定しているのか、具体的な再開発の想定スケジュールを伺います。

次に、知事の政策決定過程について伺います。
6月20日の方針発表における小池知事の政策決定過程は、極めて不透明です。
財源についても、小池知事は「関係局長が集まった会議で、既にA案、B案、C案、D案と各種の数字が出てきている」旨述べていますが、知事の方針は、そのどれにも当てはまりません。小池知事は「最後の決めはAI=人工知能」と述べていますが、特に、社会的にも注目される市場問題の政策決定過程が、不透明であってはなりません。
私は、市場問題こそ、その政策決定過程を議会や都民と共有し、決定すべきであったと考えますが、知事の見解を伺います。

また、知事は、今回の政策決定過程について「回想録に残すことはできるかと思っている」と定例会見で述べていますが、回想録にお書きになるであろうことについて、今、この場で述べていただきたいと思います。知事の見解を伺います。

私たち都議会民進党は、小池都政に対して、改革は積極的に進める一方で、都政へのチェック機能も適切に果たしていくという立場です。質問を終わります。