都議会閉会にあたり

掲載日:2014.03.28


本日、平成26年第1回東京都議会定例会が閉会しました。

毎年この時期の定例会は予算を議決する1年間でも最も重要な議会ともいえますが、今定例会は、さらに都議会開戦後初の予算議会であり、舛添知事就任後初の議会ということもあり、様々な意味を持つ議会だったと言えます。
予算案をつくるのは執行機関の仕事です。猪瀬都政の編成方針をもとに進められた予算編成ですが、途中で知事は不在に、提案の時は舛添知事がという形となったわけです。実質的に職員の手でつくられた予算ともいえます。
知事選挙にあった様々な公約はどのように具体化していくのか。
舛添知事の政策実現のための予算は77億円追加されました。都知事選挙のさなか、舛添候補優勢が伝えらた後に、公約を分析した都庁の事務局で作成、知事登庁後に
「おめでとうございます、知事の公約はこれですね、これを実行するにはこうした事業が必要で、この事業には26年度はこの予算が盛り込めます、さあ判子を押してください」
聞くところによるとこうした具合に盛り込まれたようです。
 
ですので、知事肝いりの施策をどのように実現していくのかという長期的な方向は見えてきていない状況です。
 
例えば防災ブック。知事はスイスを参考に一家に一冊防災ブックを置けるようにしたいという想いがあるようです。
しかし、基礎自治体ごとに既に防災マップなどをつくっていたりしますし、23区と多摩地区でも状況は違います。どのようにしていくのかはわかりません。
 
また待機児童ゼロを4年で実現するという公約。ハードルは高そうです。当然、具体的にどのようにするのかというのは議会で質問が相次ぎましたが、都有地の活用といったところまでで、具体的な道筋ではなく意気込みに終始した答弁となりました。
もちろん就任直後で、自分が編成に携わらない予算ということもあるでしょうからやむを得ないかもしれません。
しかし、これまでの週2回出勤知事、恫喝知事とは違い、「話ができる知事」という庁内の声も聞こえてきます。当たり前なことですが、そのような都政だったこれまでの都政の舵取り役から脱却しようとしているという評価もあります。
このようなことを総合的に考えると、無難、安全運転という都政と言えるのではないかと思います。
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